ビットコインは円高と円安、どちらに強い?──為替が動くたびに変わる“見えない綱引き”と買い判断のヒントを徹底解説(後半)

この記事は「ビットコインは円高と円安、どちらに強い?」の後編です。前編では、
ドル建てBTCと為替(ドル円)の関係、そして2017〜2025年までの「円高・円安とビットコインの歴史」をざっくり整理しました。

ここからの後編では、いよいよ実践パート。
「円高になるとビットコインは実際どう動きやすいのか?」
「円高・円安の局面で、日本人はどんな“買い判断”の軸を持てばいいのか?」
というところを、できるだけシンプルに噛み砕いていきます。

前編を読んでいない方でも追えるように書いていますが、
「BTCって結局、円高・円安どっちがチャンスなの?」と気になっている方は、
よかったら前編のビットコインは円高と円安、どちらに強い?──為替が動くたびに変わる“見えない綱引き”と買い判断のヒントを徹底解説(後半)もあわせて読んでみてくださいね。

第4章 円高になるとビットコインはどう動く?──“安く見える理由”と“実際の価格”は別物という話

ここまで「心理 × 為替 × BTC価格」の構造を見てきましたが、
第4章ではいよいよ、もっと実務的な話に踏み込みます。

円高になると、ビットコインはどんな動きをしやすいのか?

これは、過去のデータを追いながら見ていくと
とても興味深い規則性が浮かび上がります。

円高になると“円建てビットコイン”は下がりやすい

まず大前提として:

円高になる → 1ドルが安く買える → BTC/USDが同じでも円換算が下がる

たとえば、

  • BTC:40,000ドル
  • ドル円:150円 → **130円(円高)**

だと…

  • 150円 × 40,000 = 600万円
  • 130円 × 40,000 = 520万円

つまり、BTC本体はまったく動いていなくても、
円建てで80万円の差が生まれる。

この“為替だけで下がる現象”は、
2024〜2025のような円安時代を経験したあとだと
とても大きく感じるはず。

円高が起きるとき、BTC/USDも“下がりやすい”背景

円高は、世界の資金が安全資産である“円”に避難してくる時期。

つまり、世界全体の心理はリスクオフ。

このとき、BTC/USDは:

  • 株安
  • コモディティ安
  • ドル高 or 世界的なリスク回避

の影響で下がりやすい傾向があります。

つまり、円建てのBTCは:

円高(円換算で安い) × BTC/USD下落(本体も安い)

二重安が同時に起きやすい。

その結果:日本人にとっては“買い増し最有力ゾーン”になりやすい

円高 × BTC安の組み合わせは、
データを10年以上振り返っても、
ほぼすべての大底付近で発生しています。

・2015年の底
・2018年の長期下落
・2020年のコロナショック
・2022年のFOMCショック
など

この全てに共通するのが、
「円高 × BTC安 × 市場心理が恐怖で固まる」という状況。

そして、その後は決まって、
BTC/USDは反発し、円建てでも上昇していきました。

では“今(2025年)”はどうなのか?

2024〜2025年の為替環境は、やや特殊でした。

円安が高止まりしているため、
“円高が来るたびにBTCが安く見える”現象が強調されている

これは言い換えれば、

「円高のたびに、日本人はご褒美タイミングを受け取っている」

ということ。

たとえBTC/USDがそこまで下がっていなくても、
円高が起きるだけで、円建てBTCは大きく割安に見える。

この“チャンスの窓”は、
為替を理解している人だけが気づける特権なんです。

ここがポイント(第4章)
・円高になると円建てBTCは下がりやすい(換算レートの影響)
・円高局面は世界的リスクオフ → BTC/USDも弱くなりやすい
・結果、“二重安”が揃いやすく、長期投資家には好条件
・2024〜2025のような円安時代は、円高の反動で“割安感”が強く見えやすい
・円高のたびに訪れる割安ゾーンは、日本人投資家だけのボーナス
私の考察(第4章)
円高は、表面的には「景気が悪くなる前兆」に見えて怖いかもしれません。

でも、投資の世界では“怖い”が“割安”につながる場面がとても多い。
特に円建てでBTCを買う私たち日本人にとって、円高は本当に大切なヒントなんです。

2024〜2025のように円安が続いた時期を経験すると、円高が来ただけで市場が冷えて見える。
でも、だからこそ、そこに静かなチャンスが落ちていたりするんですよね。

恐怖に飲み込まれず、数字の仕組みで冷静に見ること。
それが、長期投資の一番静かで強い技だと思っています。

第5章 “円高 × BTC安”を見逃さないで──市場が静かにチャンスをくれる瞬間

円高になるとBTCが割安に見えやすいことは分かりました。
では、なぜそれが“買い増しタイミング”と結びつくのか?

第5章では、
「割安 × 心理 × 市場構造」の3つを合わせて理解していきます。

① 円高は「日本円の購買力」が最大化する瞬間

円高とは、
「円が世界の中で強く評価されている状態」

つまり、
同じ1ドルをより安く買える。
→ 同じBTCをより安く買える。

日本円で投資する私たちにとって、
これはまさに“セール状態”です。

② BTC/USDも下がりやすく、本体が安くなりがち

円高局面は、世界の投資家がリスク警戒して動くタイミング。

・株安
・コモディティ安
・BTC安

つまり、
ドル建てでも安く、円建てでも安いという“二重の割安”が発生。

③ 市場心理が凍りつき、他の投資家が手を出さなくなる

円高のとき、SNSの雰囲気は静かです。
ニュースも「リスクオフ」「景気悪化」などの見出しが並ぶ。

みんな怖くて動けません。

でもその“静けさ”こそ、
長期投資家にとって最高のフィールド。

「怖くて買えない時期こそ、未来の含み益が詰まっている」

これは相場の普遍的な真理のひとつです。

④ 過去10年以上、最大の買い場は“円高 × BTC安”の一致だった

振り返ると分かりやすいです。

  • 2015年の長期底
  • 2018年の深い調整
  • 2020年の大暴落
  • 2022年のリスクオフ局面

これらの多くに共通していたのが、
「円高 × BTC安 × 恐怖」のセット。

その後はいずれも、
BTC/USDは大きく反発していきました。

⑤ 逆に“円安 × BTC高”は心理トラップになりやすい

円安のとき、投資家の心理は:

  • 「円で持つのが不安」
  • 「とりあえずBTCに逃がしておこう」

という防衛モードになります。

すると、BTCが割高でも買われやすい。
とくに2022〜2025年は、円安が強烈に効いたため、
「BTCが上がっているように見える錯覚」が多発しました。

ここがポイント(第5章)
・円高はBTCを“二重の割安”にする
・市場心理が恐怖で固まるため、優位性が高まる
・歴史的に“円高 × BTC安”の一致は大底付近で発生
・円安 × BTC高は心理の錯覚で飛びつきが起こりやすい
・2024〜2025の円安時代は、とくに“割高錯覚”が強まりやすい
私の考察(第5章)
私はいつも「市場が黙るときほど、何かが起きている」と感じています。

円高でBTCが下がって、SNSも静かで、ニュースも暗い。
多くの人が“指が動かなくなる”時期です。

でも、それは市場がくれる“静かな贈り物”でもあります。
円安の時期にさんざん割高を見せつけられてきた私たちにとって、
円高がもたらす割安は特別な意味を持ちます。

日本円で生き、日本円で投資する——
その私たちだけが受け取れる優位性なんですよね。

恐怖を感じるのは自然です。
でも、その恐怖の向こう側にチャンスがある。
相場って、つくづく人間らしいと思うんです。

最終章 まとめ──“円高 × 円安 × BTC”は、こう見るとブレない

ここまで、
「為替 × BTC × 心理」を10年以上の歴史と合わせて見てきました。

長くなりましたが、結論はとてもシンプルです。

1. BTCは“ドル建て × 為替”の2軸で動く

円建てBTCしか見ないと、
本質が見えなくなりやすい。

大事なのは:

  • BTC/USDはどう動いているか?
  • その価格を円に換算するとどう見えるか?

2. 円高は“日本人だけが得する特別な買い場”になりやすい

理由はシンプル。

  • BTC/USDが下がりやすい(本体が安い)
  • 円高で割安に感じやすい(換算が安い)

二重の割安が起きるからです。

3. 円安は“割高錯覚”に注意

2022〜2025年は特に、
円安が強く影響して、
円建てBTCが必要以上に高く見える場面が多かった。

円が弱いだけなのにBTCが強く見える
——これが一番の落とし穴です。

4. 心理が恐怖で固まる時期こそ、静かなチャンスが潜む

市場の声が小さくなると、
そこに“長期投資家だけの時間”が流れます。

急がなくていい。
でも、恐怖に引っ張られすぎる必要もない。

数字の仕組みを知るだけで、
投資の景色はこんなにも違うんだと実感してもらえたら嬉しいです。

ここがポイント(最終章)
・円建てBTCは「ドル建て × 為替」の二重構造
・円高は割安のヒント、円安は割高の錯覚が起きやすい
・2024〜2025の円安高止まりは、特に“錯覚”を強めた
・円高 × BTC安は日本人にとって特別な割安ゾーンになりやすい
・恐怖の中にこそ、静かなチャンスが潜む
私の考察(最終章)
為替は、日々ニュースで見ているようで、
私たちの“投資の根っこ”に深く関わっています。

円安なら焦り、円高なら不安。
これは人間として自然な反応なんです。

でも、その感情をそっと横に置いて、
データと仕組みで見ると、
相場がくれるサインが見えてくる。

「円安のときは焦らなくていい」
「円高の時はチャンスが潜みやすい」

この記事が、あなたの中に “静かな羅針盤” を作るきっかけになれたら嬉しいです。

【免責事項】

本記事は、投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。
暗号資産や為替相場は大きく変動する可能性があり、元本割れのリスクがあります。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

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