暗号資産 発行枚数ランキングと価格の関係|なぜ“枚数が多いのに高い”が起きるのか

発行枚数ランキングを見ていて、ふと手が止まる瞬間ってありませんか?

「この暗号資産、枚数が天文学的に多いのに…なんで価格が意外と高いの?」
逆に、「枚数が少ないのに、どうしてこんなに安いの?」って。

私も最初は混乱しました。数字の世界のはずなのに、直感がまったく通用しない。
でも、そこにはちゃんと理由があります。

暗号資産の価格は“発行枚数”だけで決まりません。
むしろ本質は、市場がそのネットワークをいくらで評価しているか(時価総額)、そしていま市場で売買できる枚数(流通供給量)なんですよね。

この記事でわかること
・発行枚数ランキングと価格の「ズレ」が起きる仕組み
・Circulating / Total / Max の違い(混ぜると危ない理由)
・“枚数が多いのに高い”を説明できる需給の公式
・付録:発行枚数(流通供給量)ランキングの読み解き方(価格・時価総額つき)

読み終えるころには、ランキングが「ただの数字の並び」じゃなく、
“相場のクセ”と“崩れ方”を予測する地図に見えてくるはずです。

  1. 第1章:その「違和感」、めちゃくちゃ正常です
  2. 第2章:価格の正体は「1枚の値段」ではなく“時価総額”
  3. 第3章:“枚数が多いのに高い”が起きる3つのメカニズム
    1. パターン①:そもそも“評価(資金)が大きい”
    2. パターン②:供給が多くても“市場に出ている量(フロート)が少ない”
    3. パターン③:単価が上がりやすい“設計”(バーン/再分配/税/リデノミ等)
  4. 第4章:Circulating / Total / Max を混ぜると判断が崩れます
    1. なぜ危ないの?
  5. 第5章:トークノミクスで“価格の天井/床”は変わる
    1. チェック①:バーン(焼却)は“恒常的”か“イベント芸”か
    2. チェック②:ロック解除(Unlock)のスケジュール
    3. チェック③:ステーキング/担保需要が“売り圧”を吸うか
  6. 第6章:単価は“感情のスイッチ”になりやすい(単位バイアス)
    1. リデノミ(単位変更)にも注意
  7. 第7章:投資家用チェックリスト(発行枚数ランキングの“使い方”)
    1. チェック①:時価総額を必ずセットで見る
    2. チェック②:流通供給量の“増え方”を見る
    3. チェック③:需要の源泉が“持続的”か
  8. 第8章:まとめ|“枚数”より“構造”を見る人が強い
  9. 第9章:ケーススタディ|“枚数が多いのに高い”代表例3銘柄(需給・オンチェーン・供給イベント)
    1. 第9-1章:XRP|供給が多いのに高い=「巨大需要」+「予告された供給イベント」
      1. ① 需給(なぜ高い?)
      2. ② オンチェーン(“いま使われている空気感”の確認)
      3. ③ 供給イベント(解除スケジュール):XRPの“月次エスクロー”は必ずチェック
      4. (投資家メモ)XRPで見るべき「3点セット」
    2. 第9-2章:TRX|供給が多いのに高い=「安い送金インフラ需要」+「バーンで供給が締まる」
      1. ① 需給(なぜ高い?)
      2. ② オンチェーン(TRONは“ステーブルの心臓”が動いているかを見る)
      3. ③ 供給イベント(解除スケジュール):TRXは“崖型アンロック”より「日々の発行/焼却」が主役
      4. (投資家メモ)TRXで見るべき「3点セット」
    3. 第9-3章:DOGE|供給が多いのに高い=「文化×流動性」+「予測可能な固定発行」
      1. ① 需給(なぜ高い?)
      2. ② オンチェーン(DOGEは“人が動いたか”を見る)
      3. ③ 供給イベント(解除スケジュール):DOGEは“毎日ちょっとずつ増える”固定発行
      4. (投資家メモ)DOGEで見るべき「3点セット」
    4. 第9章のまとめ|3銘柄に共通する「枚数が多いのに高い」の正体
  10. 第10章:3銘柄比較表(XRP / TRX / DOGE)|需給・オンチェーン・供給イベントを一枚で
    1. FAQ
      1. Q1. 発行枚数が少ない銘柄は、必ず価格が上がりますか?
      2. Q2. 価格が0.0000◯の銘柄は「伸びしろ」が大きいですか?
      3. Q3. Circulating supply が増えると、必ず下がりますか?
    2. 注意書き(必ずお読みください)
  11. 付録:発行枚数(Circulating Supply)ランキング(代表銘柄)

第1章:その「違和感」、めちゃくちゃ正常です

暗号資産と発行枚数の関係

暗号資産の価格表を眺めていて、こう思ったことありませんか?

「発行枚数が天文学的に多いのに、なんで意外と“高い”の?」
あるいは逆に、「枚数が少ないのに、なんでそんなに安いの?」って。

私も、はじめてこの世界の“単価の魔法”に触れたとき、ちょっと笑ってしまったんですよね。
だって直感では、枚数が多いほど1枚あたりは薄まって安くなりそうじゃないですか。

ここがポイント
暗号資産の「価格」は、発行枚数そのものよりも“需給がぶつかる場所(市場)”“評価のされ方(時価総額・流通量・期待)”で決まります。

この記事では、発行枚数ランキングを「眺めて終わり」にせず、
なぜ“枚数が多いのに高い”が起きるのかを、投資家目線で深掘りしていきます。

私の考察
相場って、数字のゲームに見えるのに、実は「人間の認知のクセ」がめちゃくちゃ入り込む世界なんですよね。
だからこそ“単価”だけで判断しない視点が、じわじわ効いてきます。

まずは、いちばん大事な土台からいきましょう。

第2章:価格の正体は「1枚の値段」ではなく“時価総額”

結論からいきます。

「発行枚数が多いのに高い」現象は、ほぼ例外なく
“価格”ではなく“時価総額(Market Cap)”で見るとスッキリします。

基本式はこれです。

ここがポイント
時価総額 = 価格 × 流通供給量(Circulating Supply)
つまり、価格が“高い/安い”は、発行枚数の多寡より「どれだけの評価(お金)が乗っているか」の結果です。

ここで大事なのは、暗号資産には「発行枚数の種類」があること。

  • 流通供給量(Circulating Supply):市場で実際に回っている枚数
  • 総供給量(Total Supply):発行済み(ただし焼却やロック等の扱いで差が出ることも)
  • 最大供給量(Max Supply):理論上の上限(上限なし=インフレ型もある)

同じ「発行枚数」と言っても、市場に出ている量が違えば、価格への影響はまるで別物なんですよね。

私の考察
“価格が安い=割安”って感じるのは、人間の自然な反応です。
でも相場は優しくなくて、単価の安さは「錯覚(単位バイアス)」になりやすいんです。

次章から、「じゃあ具体的に、どんな構造で“枚数が多いのに高い”が起きるの?」を分解していきます。

第3章:“枚数が多いのに高い”が起きる3つのメカニズム

ここからが本題です。
「枚数が多いのに高い」は、だいたい次の3パターンに分解できます。

パターン①:そもそも“評価(資金)が大きい”

市場がそのプロジェクトを高く評価している(=資金が集まる)なら、枚数が多くても価格は上がります。

たとえば、流通枚数が約946億枚のTRXでも、時価総額が約270億ドル規模になると、単価は0.28ドル台になります。

ここがポイント
「発行枚数が多い=価格が上がらない」ではなく、
“評価(時価総額)が上回るなら価格は上がる”が正解です。

パターン②:供給が多くても“市場に出ている量(フロート)が少ない”

ロックアップ(売れない状態)や、ステーキング(預け入れ)で市場に出回る量が小さいと、
見た目の発行枚数が多くても、需給はタイトになります。

このとき起きるのが、「薄い板で上に吹きやすい」状態。
上がるときは派手、でも下がるときも派手…相場あるあるですね。

パターン③:単価が上がりやすい“設計”(バーン/再分配/税/リデノミ等)

バーン(焼却)で供給が減る、取引税で売り圧が抑えられる、
あるいはリデノミ(単位の付け替え)で“見た目の単価”が変わる。

価格は需要と供給の交点で決まるので、供給側の設計が価格に影響するのは自然なことです。

私の考察
個人的には、ここが“人間ドラマ”が一番出るところ。
バーンのニュースで熱狂して買う人、ロック解除で震えて逃げる人。
相場は数字で動く。でも、人の想いが市場をつくるんです。

第4章:Circulating / Total / Max を混ぜると判断が崩れます

発行枚数の話で、投資家がいちばんハマりやすい罠があります。

「最大供給量(Max)で割って、価格が安いから上がるはず」
これ、気持ちはすごく分かるんですけど…かなり危険です。

なぜ危ないの?

  • 市場で売買されるのは「流通供給量(Circulating)」
  • Maxは“未来の可能性”であって、今の需給を直接は表しません
  • ロック解除・発行スケジュール次第で、未来の売り圧が変わります

ここがポイント
投資判断の基本は「今、市場に出ている枚数(Circulating)」で考えること。
未来の供給(Total/Max)は、“今後の上値を抑える要因”として別枠で見る。

そして、もうひとつ重要なのが「インフレ型(上限なし)」の存在です。
DOGEのように最大供給量が∞の銘柄では、需給だけでなく“発行ペース”が価格の地盤になります。

私の考察
インフレ型は悪、って話でもないんですよね。
“使われ続ける設計”なら、むしろ流動性が生まれて強いこともあります。
大事なのは、供給の増え方と、需要の増え方のレースです。

第5章:トークノミクスで“価格の天井/床”は変わる

「枚数が多い」より、投資家が見ておきたいのは、トークノミクス(供給設計)です。

チェック①:バーン(焼却)は“恒常的”か“イベント芸”か

バーンがある銘柄でも、実際には「イベント時だけ」で、普段は供給が増えることもあります。
恒常的に供給が減る構造なのか、話題作りの単発なのかは分けて見たいところ。

チェック②:ロック解除(Unlock)のスケジュール

Unlockは、投資家心理に直撃します。
「分かってたはずなのに、近づくと怖い」…これ、相場の人間っぽさですよね。

チェック③:ステーキング/担保需要が“売り圧”を吸うか

担保としてロックされる、ステーキングで預けられる。
これらは市場で売れる枚数を減らすので、価格が安定しやすくなる場合があります。

ここがポイント
価格は「需要 × 供給」で決まる。
供給の設計(発行/バーン/ロック/解除)が変わると、同じ発行枚数でも価格の“居場所”が変わります

次は、数字だけでは説明しきれない“心理”の話に行きましょう。
ここ、投資家の勝敗を分けがちです。

第6章:単価は“感情のスイッチ”になりやすい(単位バイアス)

ここ、いちばん大事かもしれません。

人はどうしても、こう感じます。

  • 「0.0000◯ドル」→ 安い!伸びしろ!
  • 「88,000ドル」→ 高い!もう遅い!

でも、これは単位バイアス(Unit Bias)と呼ばれる認知のクセです。
“1枚が安い=買いやすい”と感じることで、需要が集まって上がることもあります。

私の考察
ぶっちゃけ、単位バイアスは市場の燃料になります。
ただし燃料なので、上昇も加速するけど、崩れるときも早い
“気持ちよく買える価格帯”ほど、出口戦略が大事なんですよね。

リデノミ(単位変更)にも注意

例えば「1枚が0.000001」だったものを「1枚を1000倍にまとめる」だけで、見た目の単価は変わります。
でも、時価総額が変わらないなら、本質的な価値は同じです。

ここがポイント
“安いから買う”の前に、必ず時価総額・流通供給量・供給スケジュールをセットで確認。

第7章:投資家用チェックリスト(発行枚数ランキングの“使い方”)

ここまで読んでくれたあなたなら、もう「発行枚数ランキングは“答え”じゃない」って感覚が出てきたはず。

じゃあ、ランキングはどう使うのが正解か。
私はこう整理しています。

チェック①:時価総額を必ずセットで見る

  • 単価が高い/安いではなく、市場が何ドル評価しているか
  • 目安:同カテゴリ(L1、ミーム、RWA等)内で比較する

チェック②:流通供給量の“増え方”を見る

  • 今後、ロック解除で増える?
  • バーンで減る?
  • インフレ率は高い?

チェック③:需要の源泉が“持続的”か

  • 手数料需要、担保需要、実需(決済/送金/アプリ内経済)
  • それとも「話題」「物語」「ミーム」中心?(これはこれで強い時期もある)

ここがポイント
発行枚数ランキングは、「価格が上がる銘柄探し」より、
「需給がどう崩れる可能性があるか」を想像するために使うと強いです。

私の考察
相場って、“当たる予言”より、外れたときに致命傷を避ける設計のほうが大事だったりします。
だから私は、ランキングを見るときほど「崩れ方」を先に考えます。

第8章:まとめ|“枚数”より“構造”を見る人が強い

最後に、今日の話を1行でまとめます。

「枚数が多いのに高い」は異常じゃなく、時価総額と需給設計の自然な結果です。

  • 価格は「単価」ではなく「評価(時価総額)」で決まる
  • 発行枚数よりも「流通供給量(Circulating)」が効く
  • バーン/ロック/解除/インフレ率など、供給の“動き”が未来を作る
  • そして人間は単価に騙されやすい(単位バイアス)

ここがポイント
価格を見る前に、「時価総額」「流通供給量」「供給スケジュール」
この順番だけで、判断の精度が上がります。

第9章:ケーススタディ|“枚数が多いのに高い”代表例3銘柄(需給・オンチェーン・供給イベント)

ここからは「理屈は分かった。でも実際どの銘柄で起きてるの?」に答えます。
“枚数が多いのに高い”の代表例を3つに絞り、需給→オンチェーン→供給イベント(解除・発行)まで、投資家目線でケーススタディ化します。

ここがポイント
3銘柄に共通するのは、「単価」ではなく「需要の器(時価総額)」と「供給の設計」が強いこと。
そして“将来の供給”がどう市場に出るか(=売り圧の出方)まで見ると、怖さが減ります。


第9-1章:XRP|供給が多いのに高い=「巨大需要」+「予告された供給イベント」

まず数字(現状の需給の形)

  • Circulating Supply:約 605.7億 XRP
  • 価格:約 $1.93
  • 時価総額:約 $1,171億
  • 最大供給:1,000億 XRP

参照:CoinMarketCap – XRP

私の考察
XRPは「枚数が多いのに高い」の教科書みたいな存在です。
単価が高い理由は、“希少”だからではなく、需要の器(時価総額)が巨大だから。
そして怖いのは、供給イベントが「予告されている」のに、相場がそれでも買われる局面があることなんですよね。

① 需給(なぜ高い?)

  • 需要の器が大きい:供給が多くても、資金(評価)が集まれば単価は上がる
  • 流動性が厚い:大手取引所での取引量が確保されやすく、資金の出入りができる(=参加者が増えやすい)

② オンチェーン(“いま使われている空気感”の確認)

オンチェーンは「期待」ではなく「実際の動き」が見える場所です。

  • XRPSCANの統計例(特定日):PaymentsTransactionsなどの指標が公開されている
  • The Blockのデータでは、XRP Ledgerの取引数(7DMA)推移も追える(ソースはXRPScan)

参照:XRPSCAN(統計トップ) /
The Block(XRPL取引数 7DMA)

ここがポイント
XRPは「ニュースで上がった」だけか、オンチェーンの稼働(取引数・決済系トランザクション)が伴っているかで“上げの質”が変わります。
上がってるのにオンチェーンが冷たいなら、熱は短命になりやすいんですよね。

③ 供給イベント(解除スケジュール):XRPの“月次エスクロー”は必ずチェック

XRPは供給イベントが特殊です。2017年に55B XRPをエスクローにロックし、毎月1B XRPが解除される仕組みが説明されています。

  • ロック:55B XRP(供給の予見性を高める目的)
  • 解除:毎月 1B XRP が解除される仕組み
  • 実務的な見方:解除=即全量売りではなく、「再ロック(re-lock)」が起きる(月次報道では70–80%再ロックが一般的とされる)

参照:xrpl.org(Ripple’s XRP Escrow説明) /
Yahoo Finance(毎月解除と再ロックに関する報道)

(投資家メモ)XRPで見るべき「3点セット」

  1. エスクロー解除のタイミング:月初前後の需給警戒(ヘッドラインで揺れる)
  2. オンチェーン稼働:取引数・支払い系トランザクションが伴っているか
  3. 需給の吸収力:出来高が解除懸念を“飲み込める”局面か

第9-2章:TRX|供給が多いのに高い=「安い送金インフラ需要」+「バーンで供給が締まる」

まず数字(現状の需給の形)

  • Circulating Supply:約 946.8億 TRX
  • 価格:約 $0.28
  • 時価総額:約 $270億
  • 最大供給:∞(上限なし表示)

参照:CoinMarketCap – TRON(TRX)

私の考察
TRXの強さって、派手さよりも“生活インフラ感”なんですよね。
供給が多いのに単価が崩れにくい局面があるのは、使われる理由が具体的(送金・ステーブル)だから。
それに加えてバーン(手数料焼却)が効くと、需給はじわっと締まります。

① 需給(なぜ高い?)

  • “ステーブル転送”需要:TRONはUSDTが集中しやすい構造(低コストの送金インフラとして使われがち)
  • 供給側が締まる要素:手数料がTRXで焼却される(=活動が多いほど供給圧縮が起きやすい)

② オンチェーン(TRONは“ステーブルの心臓”が動いているかを見る)

TRONのオンチェーンは、ひと言で言うと「ステーブル流通の温度」です。

  • DeFiLlamaのチェーン統計では、TRONのStablecoins McapUSDT DominanceActive Addresses(24h)などが追える
  • USDTが98%超の比率で支配的という整理もあり、構造の理解に役立つ

参照:DeFiLlama(TRON chain metrics) /
DeFiLlama(TRON上のステーブル内訳)

ここがポイント
TRXはチャートより先に、Stablecoins Mcap(特にUSDT)の増減を見たほうが“地合い”が分かりやすいです。
ステーブルが増える → 送金需要・ネットワーク稼働が増える → 手数料焼却が増えやすい、という連鎖が作れるから。

③ 供給イベント(解除スケジュール):TRXは“崖型アンロック”より「日々の発行/焼却」が主役

TRXは、多くのVCトークンのような「◯月に大量解除」というより、運用の中で供給が動くタイプです。

  • TRON公式の経済モデルでは、取引手数料の焼却が循環供給を減らし得る(デフレ圧)と説明されている
  • MessariのToken Unlocksでは、TRXのベスティングは2017年に完了し、追加の大きな解除イベントはないと整理されている

参照:TRON Developer Hub(Economic Model) /
Messari(TRON Token Unlocks)

(投資家メモ)TRXで見るべき「3点セット」

  1. ステーブル総量(Stablecoins Mcap):増えているか、減っているか
  2. アクティブ(Active Addresses):ネットワークの“心拍数”が上がっているか
  3. 焼却が効く局面か:稼働が増えるほど供給が締まる構造が働いているか

第9-3章:DOGE|供給が多いのに高い=「文化×流動性」+「予測可能な固定発行」

まず数字(現状の需給の形)

  • Circulating Supply:約 1,679.8億 DOGE
  • 価格:約 $0.13
  • 時価総額:約 $220億
  • 最大供給:∞(上限なし)

参照:CoinMarketCap – Dogecoin(DOGE)

私の考察
DOGEは“技術で勝つ”というより、“流動性と物語で勝つ”タイプです。
供給が増え続けるのに、価格が踏ん張る局面があるのは、参加者が多く、売買の場が厚いから。
そして固定発行って、意外と「怖さが読みやすい」んですよね。予測できるインフレは、相場が織り込みやすい。

① 需給(なぜ高い?)

  • 流動性が厚い:取引所・取引量・参加者が多く、回転が効きやすい
  • 文化的需要:ミーム・コミュニティの熱量が「買いの波」を作る局面がある
  • 供給増はあるが“予測可能”:設計が単純で、市場が織り込みやすい

② オンチェーン(DOGEは“人が動いたか”を見る)

DOGEの強みは、オンチェーンの「参加者の増減」が値動きと噛み合う場面があることです。

  • BitInfoChartsでは、Transactions(24h)Active Addresses(24h)など、日次の動きが追える
  • ブロック時間や手数料感も把握できる(“使えるかどうか”の空気感の確認に便利)

参照:BitInfoCharts(DOGE stats)

ここがポイント
DOGEは「価格が上がった理由」を探すより、“参加者が増えたか”(アクティブ・取引数)を先に見ると判断が安定します。
ミームは熱が命。熱はオンチェーンにも出ます。

③ 供給イベント(解除スケジュール):DOGEは“毎日ちょっとずつ増える”固定発行

DOGEは「◯日に解除」ではなく、マイニングのブロック報酬で新規発行が続く設計です。

  • ブロック報酬:1ブロックあたり 10,000 DOGE
  • ブロック時間:約1分
  • 年間発行のイメージ:(10,000 × 60 × 24 × 365)≒ 52.56億 DOGE/年(概ね「約50億/年」と説明されることが多い)

参照:Kraken(DOGE:10,000/ブロック・約50億/年) /
Dogecoin Dogepedia(10,000 DOGE/ブロック)

(投資家メモ)DOGEで見るべき「3点セット」

  1. オンチェーンの熱:取引数・アクティブが増えているか
  2. ソーシャルの熱:話題が“継続”か“一瞬の花火”か
  3. 固定発行の吸収力:需要が供給増(毎日)を飲める地合いか

第9章のまとめ|3銘柄に共通する「枚数が多いのに高い」の正体

  • XRP:巨大需要(時価総額)+ 月次エスクロー解除という“予告された供給イベント”
  • TRX:ステーブル需要(オンチェーン稼働)+ 手数料焼却で供給が締まりやすい構造
  • DOGE:文化×流動性(参加者)+ 予測可能な固定発行(織り込みやすいインフレ)

私の考察
「供給が多い」って、怖い。でも怖さの正体は、“いつ・どれだけ・どんな形で市場に出るか”なんですよね。
供給が多くても、需要が太く、供給イベントが予測できるなら、市場は意外と耐えます。
あなたなら、この3つ…どれが一番「読みやすい」って感じますか?

第10章:3銘柄比較表(XRP / TRX / DOGE)|需給・オンチェーン・供給イベントを一枚で

第9章で見た3銘柄を、「結局なにを見ればいいの?」に答える形で一枚の表にまとめます。
“枚数が多いのに高い”は、怖いのは枚数じゃなく「供給の出方」と「需要の太さ」なんですよね。

ここがポイント
表の読み順はこれがおすすめです:
① なぜ高い(需要の源泉)→ ② オンチェーン(熱が本物か)→ ③ 供給イベント(売り圧の形)

銘柄 「枚数が多いのに高い」理由 需給で見るポイント オンチェーンで見る指標(リンク) 供給イベント / 解除の“出方”
XRP
執筆時点例:
価格 $1.93
MC $117B
Circulating 60.57B

CMC
  • 需要の器(時価総額)が巨大で、供給量の多さを“資金”が上回る局面がある
  • 供給イベントが予告されている(=市場が織り込みやすい)
落とし穴:解除ヘッドラインで短期ボラが出やすい
  • 月初前後の需給警戒(エスクロー関連ニュースで揺れやすい)
  • 出来高が厚いか(解除懸念を“飲み込める板”か)
  • 上げの質:オンチェーン稼働が伴うか

チェック頻度:月次+イベント時(ニュース)

  • 月次で1B XRP解除(エスクロー)
  • ただし70–80%は再ロックされるのが一般的と報じられる

参照:xrpl.org(エスクロー説明) /
Yahoo Finance(再ロック率の報道)

TRX
執筆時点例:
価格 $0.28
MC $27B
Circulating 94.68B

CMC
  • 送金インフラ需要(特にステーブル)が乗りやすい
  • 手数料バーンが供給を締め、デフレ圧を作り得る
落とし穴:ステーブル需要が失速すると“強さの根っこ”が揺れる
  • Stablecoins Mcap(チェーンの“血液量”)
  • USDT Dominance(依存度を把握)
  • Active Addresses(24h)(心拍数)
  • Chain Fees/Revenue(稼働=バーン材料)

チェック頻度:週次(流れ)+急変時(日次)

  • 大型の“崖型アンロック”は薄い(ベスティング完了と整理される)
  • 代わりに発行(報酬)↔ 焼却(手数料)の“日々の綱引き”が主役

参照:Messari(TRON Token Unlocks) /
TRON Developer Hub(焼却によるデフレ圧)

DOGE
執筆時点例:
価格 $0.131
MC $22.08B
Circulating 167.98B

CMC
  • 文化×流動性(参加者の多さ・取引の厚さ)
  • 固定発行で“インフレが予測可能”→市場が織り込みやすい
落とし穴:熱が冷めると回復が遅い(センチメント依存)
  • オンチェーンの熱(Tx / Active)が増えているか
  • ソーシャルの熱が“継続”か“一瞬の花火”か
  • 固定発行(毎日)を需要が吸収できる地合いか

チェック頻度:日次(熱)+週次(持続)

  • 解除イベントではなく「継続発行」が供給イベント
  • 10,000 DOGE/ブロック(約1分)→ 約50億DOGE/年の定常インフレとして説明される

参照:Dogepedia(10,000 DOGE/ブロック) /
Kraken(固定報酬・約5B/年)

私の考察
同じ「供給が多い」でも、XRPは“月次イベント型”、TRXは“稼働連動型”、DOGEは“定常インフレ型”
つまり怖さの正体は“枚数”じゃなく、供給の出方(ショックの形)なんですよね。

FAQ

Q1. 発行枚数が少ない銘柄は、必ず価格が上がりますか?

A. いいえ。需要がなければ上がりません。供給が少ないのは“条件の一部”で、決定打は需要です。

Q2. 価格が0.0000◯の銘柄は「伸びしろ」が大きいですか?

A. 伸びしろは単価ではなく時価総額で考えます。同じ10倍でも必要な資金量が全然違います。

Q3. Circulating supply が増えると、必ず下がりますか?

A. 増えること自体は下押し要因になり得ますが、同時に需要が増えるなら相殺されます。

注意書き(必ずお読みください)

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を大きく割り込む可能性があります。投資判断は必ずご自身で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。

付録:発行枚数(Circulating Supply)ランキング(代表銘柄)

※数値は変動します。ここでは CoinMarketCap 表示の Circulating Supply(流通供給量)を基準に、代表的な銘柄を発行枚数の多い順に並べています。

順位 銘柄 価格(USD) 時価総額(USD) 流通供給量(Circulating) 参照
1 SHIB $0.000007 $4,350,642,949 589,244,281,578,714 CoinMarketCap
2 PEPE $0.000004 $1,717,798,732 420,689,899,653,543 CoinMarketCap
3 BONK $0.000008 $676,625,036 82,895,414,068,772 CoinMarketCap
4 XEC $0.000011 $210,751,233 19,963,739,047,580 CoinMarketCap
5 FLOKI $0.000041 $391,091,245 9,540,808,737,583 CoinMarketCap
6 LUNC $0.000040 $218,808,486 5,477,382,780,786 CoinMarketCap
7 USDT $0.999712 $186,770,495,253 186,824,255,260 CoinMarketCap
8 DOGE $0.132024 $22,178,002,486 167,984,803,127 CoinMarketCap
9 TRX $0.285001 $26,985,784,674 94,686,537,792 CoinMarketCap
10 VET $0.010705 $920,465,136 85,985,041,177 CoinMarketCap
11 USDC $0.999813 $77,049,791,683 77,064,234,209 CoinMarketCap
12 XRP $1.93 $117,180,078,435 60,572,944,636 CoinMarketCap
13 ADA $0.370734 $13,318,984,406 35,925,947,465 CoinMarketCap
14 XLM $0.217444 $7,047,188,538 32,409,165,455 CoinMarketCap

読み方のコツ:
「供給量が多いのに高い?」と思ったら、“時価総額が大きいか/流通供給が絞られているか/需要の源泉が強いか”を順に確認してみてください。

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