暗号資産って、値動きだけ追っていると「投機の世界」に見えやすいんですけど、
少し引いて見ると、国ごとに“思想”が見える分野でもあるんですよね。
たとえば――
「ルールを整えて資本を呼び込みたい国」
「国家として関与はするけれど、透明性は出さない国」
「政府は動かない。でも民間が先に走る国」
同じ“暗号資産”でも、国によって向き合い方がまるで違います。
そこで今回のテーマは「保有国ランキング」。
これは単なる“枚数自慢”ではなく、その国が暗号資産をどう位置づけ、どんな金融インフラ(器)を作っているかを読み解くヒントになります。
この記事では、BitcoinTreasuriesの国別データを使って「暗号資産(主にBTC)の保有国ランキングTOP20」を作り、
“どの国が一番強いのか”を、数字と背景ストーリーの両方から深掘りします。
- A:まず結論(Answer)としては|「強い国」は“保有量”だけじゃ決まらない
- 第1章|このランキングは「何を測っている?」データの定義を先に固定する
- 「政府保有だけのランキング」と何が違う?|この記事のTOP20がズレる理由
- 第2章|暗号資産(BTC)保有国ランキングTOP20(国籍ベース合算)
- このランキングの読み方|あなたが探しているのは「買う国」?「押収国」?「器の国」?
- 主要4カ国のミニ図解|“何が上位要因か”を一目で
- 第3章|米国はなぜ「別格」なのか:ETF×上場企業×政府の三段ロケット
- 第4章|中国:190,000BTCは“国家保有”か“売却済み”か——不確実性が相場を揺らす
- 第5章|英国:押収国家の現実——“売却フロー”が市場を動かす
- 第6章|日本:政府は0でも3位——「企業トレジャリー×Mt.Gox」の特殊事情
- 第7章|ランキングを投資判断に落とす「3つのフィルター」
- FAQ:読者さんがつまずきやすいところ、全部回収します
- まとめ|「保有国ランキング」は“需給の未来”を読むための地図
- 情報ソース(一次・準一次中心)
A:まず結論(Answer)としては|「強い国」は“保有量”だけじゃ決まらない
・ランキング上位でも、“誰が持っているか(政府/ETF/企業/押収品)”で意味が変わる
・米国は「ETF+上場企業+政府」で構造的に別格。“売り圧の質”まで違う
・中国/英国は“押収国家”としての側面が強く、売却タイミングが相場材料になりやすい
・日本は「政府0でも」上位に来る。理由は企業のBTC戦略+Mt.Goxという特殊要因
「どこが強い?」の答えは、単純な“保有量”よりも
“(1)売り圧になりやすいか(2)透明性があるか(3)継続的に買う構造があるか”の3つで決まります。
だからこそ、ランキングを「投資判断の地図」にするには、背景まで読みにいく必要があるんです。
第1章|このランキングは「何を測っている?」データの定義を先に固定する

まず大事な前提です。今回の「保有国ランキング」は、国が“公式準備金”として持っている暗号資産だけではありません。
BitcoinTreasuriesの国別集計(BTC in Treasuries)を使い、以下のカテゴリを国籍ベースで合算しています。
- Public Companies(上場企業のBTC保有)
- Private Companies(民間企業のBTC保有)
- Government Entities(政府・政府関連のBTC保有)
- ETFs and Exchanges(ETF/取引所/カストディ等の保有=“預かり”含む)
ETF/取引所カテゴリには「その国の“顧客資産の預かり”」が含まれます。
つまりランキング上位=その国が自由に売買できる、とは限りません(ここ、勘違いが一番多いです)。
それでもETF/取引所を含める意味はあります。
なぜなら「保有=力」の本質は、“金融インフラの厚み(資金が集まる器)”でもあるから。
小国が上位に出てくるのは、その国が“器の住所”になっているケースが多いんですよね。
「政府保有だけのランキング」と何が違う?|この記事のTOP20がズレる理由
ここ、読者さんが一番混乱しやすいところなので、先に整理します。
世の中には大きく分けて、国別ランキングが2種類あります。
- ① 政府保有だけ:政府・政府関連主体が保有(押収含む)すると推定・公表されているBTC
- ② 国籍ベース合算(この記事):政府+企業+ETF/取引所(預かり含む)などを国別に合算
①は「国家の意思」が見えやすい。
②は「金融インフラ(器)」と「民間の戦略」が見えやすい。
だから同じ“国別ランキング”でも、上位の顔ぶれや順位がズレます。
政府保有だけを見ると、何が見える?
政府保有だけのランキングは、「国が暗号資産にどれだけ関与しているか」を直球で見られます。
ただし、政府保有は押収由来が多く、必ずしも“推進姿勢”とは一致しません。
(押収が多い=暗号資産に前向き、ではないですよね)
政府保有の整理は、CoinGeckoの政府トレジャリー一覧が補助線になります。
CoinGecko:Government Bitcoin Treasuries
この記事の「国籍ベース合算」は、何が見える?
こちらは「国家の金庫」ではなく、もっと広い意味での“国の強さ”――つまり
- 資金が集まる器(ETF/取引所/カストディが根づいているか)
- 企業がリスクを取って積むか(トレジャリー化の進行)
- 制度と市場が噛み合っているか
を映します。だから、ジブラルタルやジャージー、ケイマンのように、経済規模では説明できない国が上位に出てくる。
でもこれって逆に言うと、暗号資産が“国境よりインフラ”で動くことの証拠でもあるんです。
(注釈)
※カストディ・・・投資家に代わって株式や債券などの有価証券や暗号資産(仮想通貨)を安全に保管・管理する業務サービス全般を意味します
※トレジャリー化・・・企業の資金管理(トレジャリー業務)を高度化・戦略化するプロセスを指し、資金繰りや資金調達などリスク管理を統合し、財務体質改善やコスト削減、事業成長に貢献する活動全般を意味します
「進んだ国」を知りたいとき、政府保有だけを見ると“押収”に引っ張られます。
一方で、国籍ベース合算は“器”に引っ張られます。
だから私は、①政府保有(国家の関与)→②国籍合算(インフラと民間の熱量)の順に見るのがいちばん納得感が出ると思っています。
第2章|暗号資産(BTC)保有国ランキングTOP20(国籍ベース合算)
以下がTOP20です(2025/12/22時点のBitcoinTreasuries表示値を基に作成)。
※単位はBTC。数値は日々更新され得ます。
| 順位 | 国 | 合計BTC(概算) | 内訳(ざっくり) | 読みどころ(“強さ”の正体) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 米国 | 2,871,004 | ETF/取引所が最大+上場企業+政府 | “器”も“買い手”も“政府方針”も揃う別格 |
| 2 | 中国 | 206,487 | 政府(押収由来)が中心+一部企業 | 透明性が低く「売った/売ってない」が材料化 |
| 3 | 日本 | 81,506 | 企業+(Mt.Goxなどカストディ要因) | 政府0でも上位。民間の“戦略保有”が増えた国 |
| 4 | 英国 | 77,303 | 政府(押収)+ETF/取引所+企業 | “押収国家”として売却フローが注目点 |
| 5 | カナダ | 59,570 | ETF/取引所+企業(マイナー多い) | ETFとマイニング企業の厚みが効く |
| 6 | ジブラルタル | 39,113 | ETF/取引所が大半 | 小国でも“金融の住所”で上位に来る典型 |
| 7 | ジャージー | 22,048 | ETF/取引所が大半 | オフショアの“器”パワー |
| 8 | スウェーデン | 18,691 | ETF/取引所+企業 | 北欧の金融商品・上場体制の強さ |
| 9 | ドイツ | 16,928 | ETF/取引所+企業(政府は0表示) | 制度・市場の厚みはあるが政府保有は薄い |
| 10 | ブラジル | 12,892 | ETF/取引所+企業 | 新興国でも“器”ができると上位に来る |
| 11 | 香港 | 10,944 | 企業+ETF/取引所 | アジアの資本ルートとしての存在感 |
| 12 | UAE | 6,934 | 政府+企業 | 国家戦略色が強い。規制と誘致の勝負 |
| 13 | シンガポール | 5,952 | 企業 | 金融ハブの“企業側”が強い |
| 14 | フランス | 5,459 | 企業+民間 | 欧州の“事業者”としての積み上げ |
| 15 | オーストラリア | 3,142 | ETF/取引所+企業+民間 | 規模は小さいが層がある |
| 16 | ケイマン諸島 | 2,855 | 企業 | ここも“住所”が効く |
| 17 | 韓国 | 1,293 | 企業 | ゲーム/IT系の保有が目立つ |
| 18 | オランダ | 1,111 | 企業 | 新興トレジャリー銘柄が牽引 |
| 19 | イスラエル | 1,036 | 企業 | テック資本が“保有”へ寄る動き |
| 20 | ノルウェー | 974 | 企業 | 北欧の一部上場企業が牽引 |
「日本が3位」なのは、政府が買っているからではありません。
企業のBTCトレジャリー化+“預かり(カストディ)要因”が同じ国に集計されることで、順位が上がります。
つまりこれは“国家の金庫番ランキング”というより、「BTCが集まる国の器ランキング」でもあるんです。(詳細は次の章へ)
6位のジブラルタル、7位のジャージー、16位のケイマン。
ここに“国の強さ”を感じるのは、ちょっと不思議ですよね。
でも市場は、「どこに資金が集まるか=どこに流動性が生まれるか」で力関係を作ります。
国の経済規模と、暗号資産の“器”の大きさがズレるのは、そのせいです。(詳細は次の章へ)
このランキングの読み方|あなたが探しているのは「買う国」?「押収国」?「器の国」?
ランキングを見て「へぇ〜」で終わるの、もったいないんですよね。
このデータは、国ごとの“暗号資産への向き合い方”を読み解くのに向いています。
そこで、まずは読み方を3タイプに分けます。
国別ランキングを「思想の地図」に変えるコツは、“なぜその国にBTCが集まったか”を見抜くこと。
その答えは、だいたい次の3タイプに分かれます。
タイプA:買う国(Buy Nation)
国家や企業が「戦略として」BTCを積むタイプ。
「資産として扱う」「制度を整える」「長期視点で持つ」…こういう姿勢が出やすいです。
- チェック観点:企業トレジャリーの増加、会計/税制の扱い、制度整備の速度
- 読者メリット:“続く需要”を読みやすい(継続保有・追加購入の可能性)
タイプB:押収国(Seizure Nation)
犯罪資産の押収・没収で「結果として」BTCを持つタイプ。
ここでの論点は「保有の意志」より、処分のフロー(いつどう売られるか)です。
- チェック観点:司法手続き、売却方針、オークション、差し押さえ資産の扱い
- 読者メリット:“供給イベント”として市場心理に影響しやすいポイントが分かる
タイプC:器の国(Hub Nation)
ETF/取引所/カストディなど「金融の器」が集まり、国籍ベースで上位になるタイプ。
この国の強さは、国家が買うかどうかよりも、資金が集まるインフラの厚みにあります。
- チェック観点:ETF・取引所の所在地、カストディ業者の拠点、金融規制の明確さ
- 読者メリット:“流動性(資金の集まり方)”を読みやすい
「どこが一番強い?」の答えは、ランキング順位そのものじゃなく、
“どのタイプの強さか”を見抜けた人の中に生まれます。
投資家にとって大事なのは、強さの種類が変わる“転換点”(器→買う国へ、押収→制度化へ)を追うことなんですよね。
主要4カ国のミニ図解|“何が上位要因か”を一目で
ここからは「国名」と「数字」を、ちゃんと“意味”に変換します。
読みやすさを優先して、米国・中国・英国・日本の4つだけ、図解で整理します。
米国:三段ロケット(器 × 買い手 × 方針)
① 器(ETF/取引所/カストディ) ───┐
│ 資金が集まる
② 買い手(上場企業トレジャリー) ───┼──→ “構造的な強さ”
│ 需要が続く
③ 政府(押収在庫と方針) ───┘ 心理が動く
- 強さの種類:器の国+買う国(ハイブリッド)
- 投資家視点:ETFフローが続くと需給が“吸い込み型”になりやすい
- チェック項目:ETF資金フロー/企業購入発表/政府方針の変化
中国:押収国家 × 透明性の壁(“見えない”が材料になる)
押収(大口) → 保有(推定/非公開) →(処分の制度/方針が見えにくい)
↑
市場はここを怖がる
- 強さの種類:押収国(Seizure Nation)
- 投資家視点:“売るかどうか”より不確実性が上値の重さになる局面がある
- チェック項目:制度化の進展/押収資産の扱いに関する報道/噂の出どころ
英国:押収在庫の現実(処分フローが焦点)
押収(事件/捜査) → 司法手続き → 売却/換金/配分
↑
“いつ動くか”が相場のテーマ
- 強さの種類:押収国(Seizure Nation)+一部器の国
- 投資家視点:保有量より処分のタイミングが注目されやすい
- チェック項目:司法手続きの進行/売却方針/報道の確度
日本:政府0でも上位(民間の戦略保有+カストディ要因)
企業トレジャリー(買う民間) ───┐
├──→ 合計が積み上がる
カストディ要因(例:Mt.Gox等) ───┘
(政府保有は0表示)
- 強さの種類:買う国(民間主導)+一部器の国
- 投資家視点:政策より民間の意思決定(企業の買い増し)が効きやすい
- チェック項目:企業の財務戦略/会計・税制の扱い/返還・配分の進捗(特殊要因)
4カ国を並べると、「暗号資産への進み方」は1本の道じゃないと分かります。
器を作る国、押収で関与が深まる国、民間が先に走る国。
そして“強さ”は、順位より転換(押収→制度化、器→買う国化)の瞬間に一番表れます。
第3章|米国はなぜ「別格」なのか:ETF×上場企業×政府の三段ロケット
米国の合計は約287万BTC。2位以下を“桁で”引き離します。
この別格さは、単に資金力があるからではなく、構造が3層になっているからです。
- ETF/取引所(器):現物ETFなどで世界の資金が米国に集まりやすい
- 上場企業(買い手):BTCを財務戦略に組み込む企業が分厚い
- 政府(方針):押収BTCの扱い(売る/売らない)が相場心理を左右
特に政府の方針は、投資家心理に刺さります。
「政府は売らない」
これだけで、需給の未来が変わるから。
米国は「買い増しの可能性」と「売り圧低下」が同時に語られやすい構造です。
ETFの資金流入が続くと、需給は“吸い込み型”になります。ここが他国と決定的に違う。
暗号資産の強さは「保有量」より「保有が増える仕組み」で決まる。
米国は、ETFが“自動買いエンジン”になり得る。
これ、長期投資家にとっては安心材料にも、短期勢にとっては“逆らいにくい潮流”にもなるんですよね。
第4章|中国:190,000BTCは“国家保有”か“売却済み”か——不確実性が相場を揺らす
中国は政府カテゴリが大きく、押収由来(PlusTokenなど)が語られやすい。
ただしここで重要なのは、透明性が低いこと自体が相場材料になってしまう点です。
「まだ持っているなら、いつ売る?」
「もう売っているなら、どの価格帯で市場に出た?」
…この“答えの出ない問い”が、心理的な上値の重さを作ることがあります。
中国の強さ(あるいは怖さ)は、保有量よりも「情報の非対称性」。
市場は“不確実性”を嫌います。だから、噂が出るたびにボラが跳ねる。
「売るかもしれない国」が抱えるBTCは、
実際に売らなくても、市場の頭の中に“架空の売り板”を作ります。
それが上値を抑える局面って、意外と多いんですよね。
第5章|英国:押収国家の現実——“売却フロー”が市場を動かす
英国は政府保有が大きく、押収・捜査の文脈で語られがちです。
ここでの注目点は「持っているか」より「いつ、どう処分されるか」です。
押収資産は、長期保有の意思決定(企業のトレジャリー戦略)とは別物。
司法手続き・換金・配分というフローを通って、どこかのタイミングで市場に出る可能性があります。
押収BTCは「売却されやすい在庫」です。
だから英国の数字は、“強さ”というより「将来の供給イベント候補」として見られがち。
国が持つBTCの中で、一番“厄介”なのは「いつ売られるか分からない押収在庫」。
市場は、確率の低いイベントでも、最悪ケースを先に織り込もうとするんですよね。
第6章|日本:政府は0でも3位——「企業トレジャリー×Mt.Gox」の特殊事情
ここ、読者さんが一番「え、そうなの?」となりやすいところ。
日本は政府保有は0表示なのに、合計では3位に来ます。
理由はシンプルで、企業がBTCを持ち始めたこと、そして“預かり要因”が日本に計上されること。
特にBitcoinTreasuriesの日本ページでは、ETF/取引所カテゴリにMt.GoxのBTCが計上されています。
これは「日本政府が持つ」という意味ではなく、あくまで日本に紐づく主体の保有(カストディ)として集計されている、という理解が安全です。
日本の“強さ”は「国家の方針」ではなく、民間の動き(企業のBTC戦略)にある。
そしてその分、ルール(上場規制/会計/税制)次第でスピードが変わります。
実際、日本では“デジタルアセットを財務に積む企業”が増え、上場市場側も注視しています。
「やりすぎるな」というブレーキの議論が出るのは、裏返せばそれだけ影響が大きくなった証拠でもあるんですよね。
日本は“国家が買う国”ではない。
でも“企業が買う国”として存在感が出てきた。
ここに、株式市場と暗号資産市場が混ざり合う、ちょっと面白い未来があります。
補足:Mt.Gox(マウントゴックス)のBTCって何?(知らない方向けに超ざっくり)
Mt.Gox(マウントゴックス)は、2010年代前半に世界最大級だった東京のビットコイン取引所です。
ところが2014年に大規模な流出(当時「約85万BTCを失った」と説明)で破綻し、その後の手続きの中で「約20万BTCが見つかった」と報じられました。
この「見つかったBTC」は、いまも債権者(=当時の利用者)へ返すための資産として、更生管財人(= Rehabilitation Trustee:手続きを進める担当者)が管理しています。
実際に、管財人は指定取引所などを通じてBitcoin(BTC)やBitcoin Cash(BCH)での弁済を進めている旨を公表しています。
そして重要なのはここです。
Mt.GoxのBTCは「日本政府の保有」ではありません。
ただ、Mt.Goxという“日本に紐づく主体”が大量のBTCを管理しているため、データサイト側では「日本(Japan)のETF/取引所・カストディ枠」などに計上されやすいんですね。
ちなみに弁済の締切は延長が繰り返されており、管財人の告知では返済期限が2026年10月31日(日本時間)へ変更された、と明記されています。
Mt.GoxのBTCは「日本が暗号資産に前向きだから増えた」ではなく、
“歴史的な事件由来の返還待ち資産が、日本に紐づく形で残っている”という性質のものです。
第7章|ランキングを投資判断に落とす「3つのフィルター」
ランキングは地図です。地図は便利だけど、地形を読み間違えると迷います。
だから私は、次の3つのフィルターで見ます。
フィルター①:それは“買い保有”か、“押収在庫”か
- 買い保有(企業トレジャリー):売りにくい/追加購入が起きる
- 押収在庫(政府):手続き次第で換金されやすい
フィルター②:それは“売却イベント”になり得るか
- 政府:オークション・売却方針の変更
- ETF:解約(リデンプション)による放出
- カストディ:返還・配分(Mt.Goxのような特殊ケース)
フィルター③:透明性は高いか(オンチェーンで追えるか、声明があるか)
- オンチェーン追跡・監査・定期報告があるほど、市場は安心しやすい
- 不確実性が高いほど、噂で振られやすい
「上位国=強い」と単純化しない。
“保有の質”と“売り圧の性格”を一緒に見ると、相場の読みが一段深くなります。
FAQ:読者さんがつまずきやすいところ、全部回収します
Q1. 1位の米国は「政府が買い支える国」ってこと?
いいえ。少なくともこのランキングは「国籍ベースの保有(ETF/企業/政府/取引所など)」です。
政府方針は重要ですが、米国の“別格”を作っている最大要因はETF/取引所カテゴリの厚みです。
Q2. 中国や英国は、いつ売るか分かる?
分かりません。だからこそ市場は神経質になります。
手続き・政治・社会状況で処分のペースが変わる可能性があります。
Q3. 日本政府は本当に0なの?
少なくとも追跡データ上は政府保有0表示です。
ただし日本が上位なのは、企業保有やカストディ要因が積み上がるためで、政府が買っているわけではありません。
Q4. ランキングはどれくらいの頻度で変わる?
ETFの増減、企業の購入、政府の売却で動きます。
特に強いのはETFフロー(資金の出入り)と、政府の方針変更です。
まとめ|「保有国ランキング」は“需給の未来”を読むための地図
- TOP20は「国家の金庫」ではなく、BTCが集まる“器の所在”も反映する
- 米国はETF×企業×政府方針で別格。需給の構造が違う
- 中国・英国は押収在庫の色が濃く、売却イベントが材料になりやすい
- 日本は政府0でも上位。民間のBTC戦略が市場を作り始めている
本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本割れのリスクがあります。最終判断はご自身で行ってください。
情報ソース(一次・準一次中心)
本記事の数値は主にBitcoinTreasuriesの国別「BTC in Treasuries」表示を参照し、国籍ベースで合算してTOP20化しています。政府保有の性質(売却方針や押収由来)については、米国の大統領令や政府発表、主要メディア報道を併用しました。暗号資産の保有データは更新され得るため、定点観測をおすすめします。


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